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セルフ・モデリングって何ですか?|翻訳

この記事は、What is self-modelling?(著者:James Lawley)を翻訳したものです。

 

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セルフ・モデリング(自己を体系化すること)とは何でしょうか?私にとっては、クライアントのセル

フ・モデリングは、シンボリック・モデリングの部分集合です。セルフ・モデリングは、シンボリック・モデリングの基本ではありますが、他にも自己を体系化する技法はたくさんあります。

また、シンボリック・モデリングにおいて、クライアント自身が自分はセルフ・モデリングしていると意識しないまま、クライアントが求める変化を生み出すのをサポートすることもまったくもって可能です。けれども一般的には、クライアントが、自分はセルフ・モデリングをしていると意識的であればあるほど、いい結果がもたらされると言われています。



アーネスト・ロッシは、シンボリック・モデリングのことを、「人々が、その人自身のやり方で、その人自身の問題を解決する中、その人自身の創造性を促進する方法(ファシリテートする方法)を学ぶの

を助ける」と、素敵でシンプルな言葉で表現しています。この表現の中で、セルフ・モデリングについ

て言及されている部分は「その人自身のやり方で、その人自身の問題を解決していく中、その人自身の創造性を促進する方法を学ぶ」です。ファシリテーターの仕事は、セルフ・モデリングする「人々を助けること」です。


私自身の言葉で言うと、セルフ・モデリングは、人が、その人自身の(内的)システムの動作方法のモ

デル(シンボリック・モデリングの場合は、メタファー・ランドスケープ)を構築し、その際にそこから学んだことを、(内的)システムにフィードバックとして提供するプロセスです。

このように、セルフ・モデリングは、美しく再帰的(帰納的/recursive)です。それは、つまり、「より多くのアウトプットや何かを生み出すシステムからのインプットを形作るプロセスからのアウトプッ

ト」です。

セルフ・モデリングが起きると、クライアントは、彼らが構築しているモデルについて、その正確性/

関連性/有用性/重要性などを表すお知らせ(signals)や反応(responses)を受け取ります。

それらのお知らせは、その人自身のモデルが、(その人自身のメタファーを)、改善したり、磨いたり、発展させたり、進化させたりできるよう、フィードバックも提供します。そして、人が自己修正(自己調整)するのを助けます。


セルフ・モデリングは、自転車の乗り方を学ぶのと非常によく似ています。・・・多かれ少なかれ、(その過程での)ぐらつきは、いい結果を得るために、変化する方法を体で学ぶプロセスに必要なパートです。

ですから、セルフ・モデリング(自己の体系化)とは、以下のように自己学習する方法です。:自己(セルフ)が、自己から自己について学び、そして、そのプロセスを通して、自己は発展します。そして、その後、より自己の体系化や自己学習が必要になります。

私は、「問題を解決すること」より「学ぶこと」を好みます。なぜなら、「学ぶこと」は、より幅広い文脈をカバーするからです。ですが、両者のプロセスは、どんな名前で呼ばれようとも、ほとんど同じではないかと思います。

以下に、セルフ・モデリングとそれがもたらした結果の例をあげます。

(ある友人の女性が初めてシンボリック・モデリングで15 分間ほどファシリテートされた後の感想

です。)

彼女は、自分が人生全般における方向性を持っていることを発見しました。それは、真っ直ぐに伸びる道でした。彼女は、機嫌よくその道を進んでいましたが、自分がどこに行こうとも、常に右側に3つの箱があることに気がついたのです。

まさにその箱を探求してみると、彼女は、それらの箱には、歌いたい、物語を書きたい、絵を描きたいという彼女の願いが入っていることに気がつきました。そして、自分が現在の道を進み続ける限り、これらの願いは満たされることがなく、そして、これらの願いが消え去りはしないことに気がつきました。この状態の探求のプロセス(過程)を経て、3つの箱は、彼女のいる道の上に乗りました。

これが、2年前の話です。

その時以来、彼女は、気楽な気分で物語の執筆と絵を描くようになりました。しかし、もっとも大きな変化は、彼女が、歌のレッスンを受けるようになり、ゴスペルクワイアへ参加し、それから、初めての公演に出演した時に起こりました。現在、彼女は、週に一度、バックシンガーをしています。


この話は、セルフ・モデリング(自己体系)から学び、その学びに基づいて行動することが人の人生に与える大きな影響(の度合い)がどれほどかを示しています。この過程を通して、彼女は、(3つの願いを無視してきた)自分の人生のパターンと、どんなに自分がそのパターンを変えたいと望んできたかの理解を深めました。こういうことは頻繁に起きるのですが、この一連は、現在の彼女が「人生の中で、私がやり遂げた一番堅実なこと(stable thing)は歌うこと」と語る変化の数々を発動させるのには十分でした。


心理療法と学習方法の多くには、何らかの形でセルフ・モデリングが含まれています。シンボリック・

モデリングが生み出す違いは、クリーン・ランゲージを使うこと、そして、セルフ・モデリングをファシリテーションする(facilitate)というはっきりとした志(the explicit aim)です。


シンプルな言葉で言うならば、セルフ・モデリングは、クライアントが行うことで、クライアントのセルフ・モデリングの助長促進(ファシリテーション)がファシリテーターのすることです。そして、両者が共にシンボリック・モデリングのプロセスを形成しているのです。


ヒストリカル・ノート(Historical note):

私が初めて「セルフ・モデリング」と言う言葉を聞いたのは、1990年代、ロンドンのNLP(神経言語

プログラミング)の練習会でのことでした。そこではマイケル・ビーンがプレゼンをしていました。彼

が「モデリングは全て、セルフ・モデリングだ」と言ったのを聞いて、私の心に風が吹きました。私が「わかったぞ!」となるまで、その言葉は数年の間、私の脳の周りをぐるぐる周りました。 ペニーと私がデイビッド・グローヴをモデリングし始めた時に、私たちにとって大きな驚きだったのは、彼がクライアントに積極的にセルフ・モデリングを促進(facilitating)していたことです。まあしかしとにかく、これは、我々の説明でしかありません。

デイビッドは、この例え(セルフ・モデリング)を好みませんでした。彼は、彼が何をしているかを説明するのに、彼独自の次から次へと変化する方法(でそれを表すの)を好んでいました。


©︎James Lawley

翻訳:Yukari Ishii


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