この記事の出典は、以下です。 Article from www.cleanlanguage.co.uk (2023.3.2現在、サイトリニューアル中です)
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*翻訳者付記:翻訳に際して
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1998年11月13日 ロンドンで行われたClean Language Research Dayで語った内容から編集 (最終変更日:2001年3月31日)
基本哲学
クライアントは、自分自身の中に、「自分自身の生い立ちや先祖から受け継がれたもの、または、その人の文化の過去を出どころとする心理的、身体的な傷を癒す能力」を持っています。
症状は、「心や身体が自らを癒やそうとして失敗した試み」です。私たちの仕事は、症状が成功できるよう、そこに働きかけることができる適切な文脈を生み出すことです。 ネガティブな症状は全て、それそのものの内に、詳細にコード化された解決策を持っています。そして、その解決策は、最初に現れた症状を軽減するだけでなく、信頼のおけるポジティブなリソースをもたらします。そして、そのリソースは、クライアントの精神経済(サイキック・エコノミー)にその症状が宿っていることによる悪影響を補ってくれるものです。
セラピストの役割は、クライアントの世界のモデルを訪ね、その世界の言葉と論理的な境界線の中で実行される解決策を紐解く(明らかにする/展開する/unfold)ことです。多くのセラピーでは、セラピスト(治療者)の訓練内容に基づき、クライアントの世界モデルを分断/崩壊させる媒介として、多かれ少なかれ、架空の構成要素を導入しています。クリーンランゲージは、クライアントの症状に関係する(症候性の/symptomatic)世界を外側から革命的に転覆させるのとは異なる、内側から起こる革命的なプロセスに話しかけます。
クリーンランゲージは、情報中心(インフォメーション・センター/information-centered)です。 クリーンランゲージは、クライアント中心(来談者中心)でもセラピスト中心(治療者中心)でもありません。クライアント中心でいるということは、セラピーのローカス(所在/座)が、クライアントの自我状態に向かい、それが本質的に自我中心性(egocentric)であることを意味します。そして、セラピスト・センターでいるということは、(マズローが「金づちしか持たないならば、釘しか見えない」と言ったように)その質問がセラピストの学派に準じた質問であることを意味します。それに対し、情報中心(インフォメーション・センター)は、情報が、様々な場所―意味的な場所、身体的な場所、空間的な場所、生い立ちや先祖、文化に関わる時間的な場所―を源泉とすることを尊重します。
クリーンランゲージの基本原則
A. クリーンランゲージの本質は、ホメオパシー(同種療法)です。つまり、好奇心を刺激する最小限の言葉(言語/language)を追求しています。
B. クリーンランゲージの目的の一つは、同一視(identification)であり、症状を拾い集めて抱きしめることです。多くの治療法では、症状はネガティブなものであり、治療において取り除く必要があると考えますが、クリーンランゲージという芸術(技法/the art)では、クライアントが自分自身の強さを自認するまで、症状と関わり、症状を取り調べます。
C. セラピストは、クライアントの答えが特定のモダリティに制限されているとは示唆しない質問を使わねばなりません。…一番の掟破りは、「あなたはそれをどのように感じましたか?」と「あなたはどう思いますか?」です。
D. セラピストの質問は、使用する質問法に内在する前提条件で、クライアントの世界のモデルを汚染しない(contaminate)ように形作られるべきです。
E. 普通の二者間/二項的談話(dyadic discourse)は、社会生活上の会話には問題ありませんが、癒しの芸術として言葉を伝える時には多くをもたらさないでしょう。
F. クリーンランゲージは、サイコアクティブ(精神活動の活性化)を促進します。サイコアクティブは、自己治癒力(self healing)を高めるために、文脈(コンテキスト)を再構築し解釈する能力を備えています。癒しの体験はリアルタイムに起こります。…それは、「家に帰ってそのことを考えたクライアントが、考えた後に変化する」という体験ではありません。もし、これができるようになれば、サイコアクティブは、まさにあなたの目の前で起こります。そして、多くの場合、それは、質問と質問の間のちょっとした「間(ま/pause)」に生じます。間(ま)は、非常に役立つしもべ(servants)なのです(/非常に重要な役割を持っているのです)。しもべ達とは、サイコアクティブ(な状態)の発生時に、「反応を誘う隙間(gap)」のことです。これは、認知に関わるプロセス(過程)とは著しく対照的です。
G. クリーンランゲージは、セラピストにとっては扱い(操作/operationally)が難しく、クライアントにとっては簡単です。なぜならば、クリーンランゲージでは、以下のような考え方に取り組むからです。
「クライアントが本当に問いかけてもらいたい次の質問は何か?」
「クライアントの語彙だけを使用する規律(訓練/discipline)」。
H. クリーンランゲージの提供において:
i. 音響的な要素は重要。(リズム、トーンなど)
ii. 定冠詞「the」は除外される。(*訳註:日本語には定冠詞がないので、関係ありません)
iii. ほとんどの文章を、「and(そして)」から始める。
iv. 固有名詞は使用せず、クライアントが導入した人称代名詞のみを使用する。
v. 繰り返し(repetition)は、再帰的な(帰納的な/recursive)形式です。循環(円/a circle)ではなく、螺旋(スパイラル/a spiral)という感じの再帰的です。モメンタムな(前に進む弾みや勢いのある)バッハの変奏曲のように、主題に対して再帰的です。繰り返しは、時間的・空間的に保護された子宮やマトリックスのようなものを生み出します。その中でのあなたの仕事は、優秀な助産師であることです。新しい情報の出産中、それを手伝い、新しい情報を認知し、発展させるために。新しい情報は以下のようなものから生まれてきます。
静的ノイズ(Static noise)
非合理な話(Non sequiturs)
余談(Asides)
本題から外れた無駄話(Off the topic red herrings)
ささやくようなコメント(Under the breath comments)
個人独特な音(Idiosyncratic sounds)
ほとんどの人には理解できない難解な話(Esoterica)
I. クリーンランゲージは、ばらばらになっている情報(disparate kind of information)全てを認識し、それらを組織化された近接の風景(ランドスケープ/landscape)、つまり、「心的風景/精神的風景(サイコスケープ/psychescape)」にまとめます。この中には、(言葉や感情、記憶などの)ありふれた重要参考人全員と、以下のようなものを含みます。
夢(Dreams)
幻覚(Hallucinations)
強迫観念的な現象学(Obsessive-Compulsive phenomenology)
チックと特徴(Tics and traits)
迷信(Superstitions)
価値観とあらゆる精神性(Values and all kinds of Spirituality)
個人的な宇宙論(コスモロジー/cosmology)
文化的・社会的な環境や境遇(Cultural and social milieu)
祖先の起源(Ancestral affiliations)
そして、時間を拡張する類の情報(And those kinds of information that expand time)
J. 身体性(クライアントの心的風景(サイコスペース)内への質問の正確な配置)は、サイコアクティブ(な状態)を誘発する作因です。クリーンな質問には、ホログラム的な仮想の形があります。また、「う〜ん(という元気)な要素(oomph factor)」があり、それが、その他の質問とクリーンな質問を分ける特徴です。「う〜んな要素」は、サイコアクティブを高めます。そして、その「う〜ん(威力/the oomph)」は、以下のような、さまざまな方法で確認することができます。
i. 感じる。クライアントは、それが正しい質問だと感じる。
ii. (質問の)認知や、質問の繰り返しを必要としない。
iii. クライアントは常に、質問に答えることができる。
iv. 質問が、クライアントの直近の発話、または、浮かび上がった構成物を由来とする論理的帰結と密接に結びついている。
K. 抵抗するクライアントというものはいません。クライアントの反応/応答に対して、どうしていいかわからないセラピスト(治療者)というものはいます。もし、抵抗があるとすれば、それがクライアントのやり方です。クライアントは、もっといい質問ができるように、あなたを訓練してくれているのです。
L. クリーンランゲージは、線と線のにある知性(行間の知性/the intelligence between the lines)に働きかけます。
M. クリーンランゲージは、クライアントの心と魂に深く寄り添い(agreeable)ます。
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