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ミケランジェロの後ろに立っていると想像してみてください。

 

ミケランジェロは大きな大理石の塊を前に、

ハンマーとノミを手にして立っています。

 

彼は石の中に彫刻があることを知ってはいますが、

最終的にどのような作品になるのかは見当もつきません。

 

ミケランジェロが大理石を芸術作品へと変容させ、そのプロセスで自分自身をも変容させるために、

あなたはどのようにサポートすればいいのでしょうか?

Metaphors in Mind, James Lawley&Penny Tompkins, p.3

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シンボリック・モデリングは、「クリーンランゲージを使って」個人の内面的な世界やシステムを、シンボルやメタファーを通じてモデリングする技法です。この技法は「Clean Language & Symbolic Modelling」と表記されることもありますが、ここでの「&」は「を使って」の省略形です。

シンボリック・モデリングは、クリーンランゲージという言語モデルを使用しますが、クリーンランゲージそのものを指すわけではありません。

また現在、デイビッド・グローブが行っていたのと全く同じアプローチを使用している人はいないと言われています。

 

時に、シンボリック・モデリングがクリーンランゲージと混同されることがあるのは、その成立過程に起因しています。

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シンボリック・モデリングは、元々クリーンランゲージの開発者、デイビッド・グローブが開発した「クリーンランゲージ」を基盤にしています。

当時NLPのトレーナーだったジェームズ・ローリーとペニー・トンプキンス夫妻がデイビッドと出会い、彼のしていたことに感動したことが話の始まりです。夫妻はそこから4年かけて、グローブがしていたことをモデリングしました。そして、デイビッド以外の誰でも学び使えるようにと、そのアプローチを一般化したことから、この技法が誕生しました。

クリーンランゲージの他、シンボリック・モデリングに影響している主な考えは、認知言語学、カオス理論、NLP、哲学者のベイトソンなどがあります。

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シンボリック・モデリングは、癒しや問題解決を目的とするものではありません

むしろ、個人の「望む結果」に焦点を当て、その人自身が自らの力で何かを創り出す過程を支援する技法です。言い換えれば、自己創造のプロセスをサポートするための足し算の技法と言えます。

もともとはコーチングやセラピーに用いられていましたが、現在ではビジネス、教育、スポーツ、芸術、介護、家庭での子どもとの対話など、さまざまな分野に応用されています。また、自己成長を目的に自分自身に活用する人々にも広がっています。その用途は多岐にわたり、非常に柔軟に適応可能です。

シンボリック・モデリングは、クライアントが自分自身の心と体の仕組みをモデリングする過程をサポートします。クライアント自身が自分の知覚のモデルを作り上げることを中立的な立場で支援し、そこから新たな知覚方法を発見したり生み出したりする手助けをします。

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言葉の聞き分け方が独特

言葉を「その人が好きかどうか」と「その人の世界にすでに存在するかどうか」の2つの基準で分類して、「好きで存在する何か」と「好きだけれどまだ存在しない何か」に焦点を当てて、クライアントが「望む世界」を探求するのをサポートします。

この時、分類に使用する基準とそこに使用するクリーンランゲージの質問の組み合わせから作られた「PROモデル」というプロセスモデルが存在します。

クライアントの世界から何一つ取り除こうとはしない

シンボリック・モデリングの世界観は「足し算」、そして、「今と未来」のアウトカム志向です。全ての問題は過去に由来すると考えられるため、例外を除き、クライアントの問題には「認知はすれども深入りはしない」というスタンスです。

例え問題であっても、それをファシリテーターが誘導して取り除こうとはしません。

​経験的には、クライアントが「未来に望む結果」を探求し、リソースフルで豊かな世界を構築しているうちに自然と問題は何か別のものに変化していくことが多いようです。

コンテンツ・フリー

「部屋を片付けたい」「明日がいい一日になるように準備したい」というような日常的で現実的な内容から、「生まれる前から抱えていたような深い悩みや深いトラウマ」にまで同じやり方で対応できます。扱える内容が非常に幅広い便利さを兼ね備えています。現在、実際に、戦地で暮らすセラピストたち対象に、シンボリック・モデリングのワークショップが行われています。

部分的にも全体的にも使用できる

シンボリック・モデリングは、いくつかの要素やプロセスモデルの組み合わせから成り立っています。そのため、チェンジ・ワークとしてプロセス全体を使用することもできれば、一部を抜き出して使用することも可能です。他の技法とのコラボレーションもよく行われています。海外では、すでに、アジャイル・コーチング、ICF、プロセスワークなどのファシリテーターの方々がコラボレーションに取り組んでいます。

メタファーは「本当に現実にあるもの」のように扱う

シンボリック・モデリングでは、メタファーを使用します。(状況によっては、メタファーを使用しないで使うことも可能です)

​その時、メタファーをただの例えではなく、本当に現実にそのメタファーが存在するかのように扱うのが大きな特徴の一つです。そうすることで、クライアントの体験がより豊かなものになるように支援します。

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